薔薇とポーションミルクとそれ等のトゲ | JP

お花 1 Flower 1


ポーションミルクが
ポケットにひとつ

潰さない様に立ち振る舞う
いつぞやのポーションミルクの悲劇が再び起きない様に

座らない
潰さない様に座る



ポーションミルクには、変な魅力がある 変な誘惑だ。
今回は入れるかもしれない
入れたいかもしれないと思わせる
一瞬迷ってつい手を伸ばす

かといって、結局また使わないだろうというのはわかってるのに。
その連れてきてしまったポーションミルクへの、使わないことでの無駄使いへ
無意味な罪悪感を抱える
元の場所には戻せないから
それは、使えなくなるまで、机の上や棚の中の缶の中に置かれることになる。

お花 2Flower 2

ポーションミルクにはどこか毒がある。それはポーションミルクの中の私たちの脳裏にある毒
ポーションミルクのふたを開けて、そのまま飲もうとは思わないのはそのせいだ。
ポーションミルクだけど、何が入っているか本当のところわからないし
作ってないから
それに常温だし

牛乳入っていないのだから安全だけれど

牛乳入っていないんだよ。


植物性油脂(サラダ油)増粘多糖類、乳化剤、カラメル色素、PH調整剤
私はコーヒーフレッシュよりも、ポーションミルクという響きが好き。

壁 1 Wall 1


ミルクを入れると、たちまちマイルドになって、甘みも増し、舌触りもシルキーに、軽やかになる。豆の質によっては、コーヒーフレッシュを入れることで珈琲の味が引き立つ気がする。
でもなぜか必ず、コーヒーの香りがなくなるように感じる。ポーションミルクが珈琲の一番の魅力というか、依存性の素質を奪い去る気がする。

そして、豆をこだわればこだわるほど、このポーションミルクは疑問や違和感の元になる。インスタントコーヒーやファミレスやファーストフード店の珈琲ぐらいならさほどおかしい感覚にはならないけれども。
せっかく豆をこだわってみて、ミルクは同じ(ミルクですらない)ポーションミルクを入れるとなるとなんともちぐはぐで頓珍漢というか、頭の中で、美味しい不味いとは別に、中途半端な味の珈琲が出来上がる。

壁 2 Wall 2


多分それが、珈琲の香りに見せられた私には、それを汚染しているように感じる理由の一つではないかと思う。

ポーションミルクは小さいけれど
私にはとても無視できない存在感を秘めている。
名前は可愛いらしいと感じさせるし

私の目や脳裏には、それは身近にある不思議な毒のように映る。
珈琲が好きな私には、日本に住む限り、このポーションミルクというものは常に珈琲の周りに付き纏って目の端に映るものだから。

何かそこには気がつくべき、世界の法則を暗示しているように感じてならない。